深煎り 建築基準法

建築基準法について深煎りします。

法6条区分(法第6条第1項)

今回は、法6条区分について解説します。
建築基準法に関わっているとよく法6条区分という言葉を耳にするかもしれません。法6条区分建築基準法を勉強するうえでとても重要です。

法6条自体は建築物を建築する前の手続きについて規定されている条文で、この法6条区分によって建築する際の手続きが変わってきます。

さらに、法6条以外の規定でも、たとえば法20条の構造耐力に関する規定では、どんな技術的基準どんな構造計算が適用されるかは建築物が法6条区分のどの区分に該当するのかによって変わってきます。

 

 
それでは、どのように区分されるのかみていきます。
法6条1項中の一~四号の4つに区分されます。
 
(建築物の建築等に関する申請及び確認)
第6条 …
 別表第一(い)欄に掲げる用途に供する特殊建築物で、その用途に供する部分の床面積の合計が200㎡を超えるもの
 木造の建築物で3以上の階数を有し、又は延べ面積が500㎡、高さが13m若しくは軒の高さが9mを超えるもの
 木造以外の建築物で2以上の階数を有し、又は延べ面積が200㎡を超えるもの
 前三号に掲げる建築物を除くほか、都市計画区域若しくは準都市計画区域(いずれも都道府県知事が都道県都市計画審議会の意見を聴いて指定する区域を除く。)若しくは景観法(平成16年法律第110号)第74条第1項の準景観地区(市町村長が指定する区域を除く。)内又は都道府県知事が関係市町村の意見を聴いてその区域の全部若しくは一部について指定する区域内における建築物
 
表にまとめると以下のようになります。

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どんな要件(要素)によって区分されているのかが重要です。
一号は用途床面積によって分けられます。
 二号と三号は構造種別規模によって分けられます。
四号は特定の区域内一~三号に該当しない建築物です。
 
ここで押さえておくべき深煎りポイントが3つあります。
深煎りポイント①
一号と二号に該当する建築物一号と三号に該当する建築物が存在するということ。
例えば以下のような建築物です。
①木造3階建てで延べ面積300㎡の共同住宅 ⇒ 一号と二号に該当する建築物
②鉄骨造2階建てで延べ面積200㎡の飲食店 ⇒ 一号と三号に該当する建築物
 
深煎りポイント②
すべての建築物が一~四号のどれかに該当するわけではないということ。
例えば以下のような建築物です。
・上の表の四号の要件中の①~④のいずれの区域外で、木造2階建てで延べ面積150㎡の戸建て住宅
 
蛇足ですが、
深煎りポイント③
よく法文を読むと、一号では「床面積の合計が200㎡を超える」と規定されていて二号(三号)では「延べ面積が500㎡(200㎡)」と規定されています。床面積延べ面積で明確に用語を使い分けしています。それぞれの用語は令2条で規定されていますので覚えておきましょう。簡単に解説すると床面積は建築物の壁等で囲まれた部分の水平投影面積で、延べ面積は建築物全体の床面積の合計です。
 
今回はとりあえず、法6条区分がどのように区分されるかを解説しました。
この区分によって法6条の手続きがどのように変わるのかや構造耐力に関する規定の適用されるのかは、別にそれぞれ解説したいと思います。